あらゆることから学ぶ

職場や学校に限らず、勉強とは関係ない様な事からも、学んでいくブログです

思考のトラップから学ぶ_その1_ダニング=クルーガー効果

本へのリンク
http://www.amazon.co.jp/dp/4576141155

さて、予想以上に良い本だったので、書いてみたいと思います。
テーマは以下の2つに分けています。

1.本全体の話について
2.ダニング=クルーガー効果(以下ダニクル)について

2は、他のテーマにも触れてみようとは思い、相当悩んだんですけど、
上記が「一番馴染み深いなぁ」と思いましたので(苦笑)
あ、他のが全然重要じゃないって事ではなく(そもそも、順位付け出来るものではない)。

まず、テーマ1について。
この本は心理学関係の本かと思うんですけど、
「研究という言葉が沢山出てくる通り、オカルトには否定的(占いもバッサリ切り捨てています)」
「比較的、専門用語を使わずに、分かりやすく書かれている(その分、この分野に詳しい人には物足りないでしょうけど)」
「テーマが48と多い(その分、1つのテーマについての考察は若干浅いでしょうけど)」
という辺りがあると思いましたね。

で、オカルトに否定的って部分について。
こっち系の本も結構読んでいて思うのは、
結構フワッとした表現の内容が多く内容が理解しづらかったり、
本当か?と思う様な内容が多かったりするんですけど、
この本は、殆どそう感じる箇所が無かったなぁと。

個人的にオカルトが好きだったりするので、
「あぁ、そこを否定しちゃうかぁ」な部分もあって残念な気持ちにもなりましたが、
ただ、オカルトって基本的に内容が簡単でも「"咀嚼"が難しい」って点があると思っており、
比較的、上級者向けじゃないかとは思うんですね。
例えば、占いだとコチラ http://d.hatena.ne.jp/gallu/20140519/p3 にも、
「参考にしかならない」と書いてますけど、
じゃあ、「何をどうやって参考にして活かすのか?」ってのがあるので。
なので、「アテになるか」って観点だと、「ならんだろうなぁ」と。
それでも、僕は好きですけどw

でも、この本は上記の様な箇所が少なく、
そこが良くオススメ出来るかなと。
勿論、この本の研究結果自体が嘘であるとおっしゃる方もいらっしゃるとは思いますけど、
ただ、否定出来る材料を見てみないとなぁと。

次に、テーマ2のダニング=クルーガー効果について。
先に結論を書くと・・・ここで読み終えそうですし、あえて書かない(1回書いたけど消した)事にします。
これを細かく分析してみます。

まず、ダニクルに該当する人の特徴を書籍内から引用してみます。

いっぽう技能の低い人は、それほど訓練もしておらず、経験も乏しいから、ある課題について人よりできるかできないか適切に判断できない。
同輩たちにもだめを出せれることはない。
同輩たちもよくわかっていないか、あるいはその人の気持ちを傷つけたくないと思うからである。
そのため、初心者よりちょっとできるというだけで、自分はすごいと自惚れてしまう。
・・・何度読んでも、大爆笑(家で読んでて良かった)してしまいますね、ココ(苦笑)
ちなみに、この本にも書いてないし、これはオカルトだと思いますけど、
「しんどいのが度を越して、それを思い出すと笑いに変わる」というのも、あるみたいです。

話を戻して、じゃあどうしてダニクルに陥ってしまうのかについては、こちらを。

初心者からしろうと、くろうと、達人へと進んでいくにつれて、各段階を分ける区切りはぼやけてくる。
先へ行けば行くほど、少し進むのにも長い時間がかかるようになる。
しかし、初心者からしろうとの域に達するのはあっという間だから、ここにダニング=クルーガー効果が作用する。
同じぐらいの練習量で、しろうとからくろうとの域に達することもできるはずと思ってしまうが、それがそうは行かないのだ。
この辺は、こちら http://logmi.jp/12933 の、
ですから、学習初期の段階では上達が非常に速い。
それがある時点で「プラトー(高原状態)」に至って、その後だんだん上達するのが困難になり、時間がかかるようになります。
この辺と同じですし、あとまたオカルトでしょうけど、
初級・中級・上級の様なカテゴリのあるゲーム(得意じゃないジャンルの方が良いかも)を簡単な方から順番にやっても、
似た様な曲線になると思いますね。

あと、以前はよく思っていたんですけど、
「学習は楽しい」というのも、レベルが上がってくると、楽しいと思う比率が下がる様にも思いますね。
上記の「上達するのが困難になり、時間がかかるようになります」って辺りが、結構シンドイので。
なので、あくまで可能性でしかないですけど、
学習は楽しいと思っているうちは、その分野に関しては大したレベルじゃないかもしれないですね。
この辺は人によって全然違うでしょうけど。

あと、長い時間がかかるから、すぐに結果が出ないという事で諦めてしまうというのもダニクルの一因なのかなと。
ココは、「持久力」とか「忍耐力」とかの問題(スピードではなくスタミナ)なんでしょうけど、
ココが大きい様に思いますね。
・・・個人的に、実際の陸上で短距離は遅いけど長距離は速い(その辺の人よりは、今でも速いと思うけど)ってのも関係あるんですかね。

次に、じゃあ逆にダニクルに陥っていない人はどうなのか。

逆に、気象学や生物学で立派な学位を持っている人たちが、どうしてネット上で地球温暖化や進化について論じないのか、と不思議に思ったことはないだろうか。
人は、あるテーマについて知らなければ知らないほど、知るべき知識の総体も小さいと思い込む傾向がある。
多少の経験を積んで初めて、まだわかっていない部分の広さや深さがやっと見えてくるのだ。
無知の知 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E7%9F%A5#.E7.84.A1.E7.9F.A5.E3.81.AE.E7.9F.A5 ってのもありますしね。

さて、じゃあ二つの相反する特徴を並べた上で、どうしていけば良いのかですが。
まず、ダニクルに陥る事「自体」が罪だとは、実はあまり思ってないんですよね。
というのも、「私、凄い事したんだ!」とか「(他人が)貴方、凄い事したね!」といった、
成功体験の一種だったり承認する事は、ある程度は大切でしょうから。ある程度は。
ただ、そこで「世界一になったってわけじゃない(あるいは、上には上がいる)」ってのがポイントでしょうけど。
ココは引用しませんが、この本にも同じ様な事書いてますし。
個人的に振り返ってこの辺を実感したのだと、
昔、そろばん(珠算)の大会で、
「市区町村の市で1位」「周辺の複数の市が集まっても1位」「でも、都道府県単位だと3位」ってのがあったので、
もう、全国では言うまでもありませんね。
で、その時に、「都道府県で3位だったからダメ」とは周囲は言わなかったんですね。
むしろ、「周辺の複数の市が集まっても1位」の方を強調していた様に思います。
この辺、子供次第だとは思うんですけど、
「エリート教育」で、極端な話「世界一になるまで褒めない」だと、
子供を潰してしまうかもなぁとは思いますね。
それで、子供のモチベーションが、ずっと維持し続けられるだろうか?という。

あと、別の観点として、
ダニクルに陥っている状態って言い方変えれば「自分を過大評価している」って事でもあると思うんですけど、
じゃあ、「常に自分を過大でも過少でもなく正確に評価する事が出来るのか?」という異常な難題もあるわけで。
まぁ、それでも、常に自分を過少に評価すれば良いという話もあると思いますけど、
でもそれ、この本の別のテーマにある「セルフ・ハンディキャッピング」に逆に陥らないかなと。
ちょっと、この辺、特に自信ないですけど、ふと思ったので。
あるいは、「自分はまだまだ実力不足なので、表舞台に立つのは早い」とか。
ただ、この辺下手すると、「世界一になるまでずっと立たない」ともなってしまうんじゃないかなと。

この辺、そもそもの話として、
心理的に、「変に過大評価したり、過小評価したりする」っていうのが、おかしいんじゃないかって思うんですね。
だから、自分自身に関しては、まず「周囲から、ダメ出しされていないか」というのを、考える必要があるかと。
・・・最近のWebを見ていると、「直接本人に対してではなく、間接的にダメ出ししている」的なケースもよく見かけるので、
その辺も含めてですけど。
まぁ、前述については書き方悪いですが、
「人ではなく行為について」ダメ出ししているというケースもあるので、
「その行為を、自分が行っていないか?」という様に、
自分へのダメ出しとして考えられるかどうかってのもありそうですけど。

次に、「可愛そうと思われて、何も言われていない」というのも、ダニクル該当者の特徴に先程書いてましたけど、
ただコレって、「何も言われていない」ので、ダニクル非該当者も分からないんですね。
つまり、「区別」が付かないと。
でも、非該当者は、前述の通り優れているわけですから、
本来であれば、称賛する対象だと思うんですよね。
であれば、称賛すれば良い。
でも、足りてない箇所があれば、そこはダメ出しすれば良い。
「完璧でない」事ぐらいは、非該当者であれば、分かってると思いますから、
ダメ出しされても、受け止めて下さる事でしょう。
ちょっと突っ込まれた程度でアイデンティティ崩壊したり、
あいつは自分に嫉妬しているから、ダメ出ししてくるんだとか思う様な人は、
非該当者にはいないと思いますので。
こちら http://d.hatena.ne.jp/gallu/20140517/p1 にも、同じ様な事が書かれてますし。
何となくこの辺、またしてもオカルトですけど、ドラゴンボール孫悟空ベジータの関係を思い出しましたね。
あと、「オラ、つええヤツを見ると、ワクワクすんだ」とか。

まとめると、「ダメ出し」か「称賛する」なら、同時に逆の事も行えば良いって事になりますかね。
勿論、常にしろとまでは、全く思いませんけど。
個人的にもそこまでしてませんし。

といっても、それでも難しい気もするので、
ヘッジとして、自己客観視スキル的なものも、同時に身に付けておいた方が良い気もしましたけどね。